Emmaのコラム

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気づかれない悲劇、閉じ込め症候群って何。

今日は、閉じ込め症候群について書いてみたいと思う。

私がこの病気を知ったのは、あるドキュメンタリー番組だった。

意識があるのに、植物人間として、10年過ごした少年の話で、あまりにも残酷な出来事だったので、忘れることが出来なかった。

12歳の時に原因不明の病で、意識を無くし、4年後に目が覚めた時には植物人間だった。

しかし、彼は意識が戻っていて、喜怒哀楽の感情もあり、痛みやかゆみといった感覚も戻っていた。

それでも四肢は動かず、かすかな瞬きしかできず、周りの誰もが、彼に意思があることに気づくことが出来なかった。

そのため、彼の事で、家族がケンカしている声が聞こえたり、実の母親からひどい言葉を投げかけられた。

彼は、耐え難い時間でも、どうすることも出来ず、ただ、時間が過ぎるのを待つしかなかった。

時には、介護士の中には、無理やりご飯を食べさせたり、イスにずっと座らせておくだけの人もいた。

彼は、耐え難い状態なか、孤独に押しつぶされそうになりながら、このまま死にたいと思っていた。

自分が、同じ状況になったら、どうなってしまうんだろう。感情があっても、声を出すことも出来ず、自分の気持ちを伝える術が何もないことにこの病気の残酷さがある。

そんな中、いつも声をかけてくれる介護士の一人が、話しかける言葉に対して、目がかすかに動いたのを見逃さなかった。調べたところ、意識が戻っていることが分かった。

介護士が気づかなかったら、今だ、彼は誰ともコミュニケーションが取れていなかったことになる。

植物人間と診断された人の中には、この閉じ込め症候群になっている人が、知られていないだけで、たくさんいると思われている。

中には、20年以上も気づかれなかった例もある。

自分に置き換えて考えてみたら、想像しただけでも怖くなる。自分の気持ちを伝える事が出来ないだけじゃなく、家族が、自分の事で、ケンカをしたり、苦しむ姿を見たくないからだ。

しかし、研究の結果、今では、一筋の光明が差し込む。脳死と診断された時にfMRIで脳を調べると、脳が活動しているのが、分るようなった。

「意識がないと誤診された患者」がfMRIによって軽症であることが判明。

リハビリをすることによって、閉じ込め症候群から、解放されることもある。

10年間、閉じ込め症候群と診断された彼もリハビリにより、コミュニケーションを取れるようになり、学校に通い、結婚もすることができた。

希望を捨てず、我慢した時間が多かった分、幸せになってほしい。

私も自分や家族のためにも、fMRIが設置されている病院を探しておこうと思う。